全国の浄水場で、水道施設(浄水配水設備)の腐食・赤水防止に活躍しています。
水道事業体向け消石灰溶液注入設備(オネストライマー)は全国各地の浄水場に導入され、水道施設(浄水配水設備)の腐食防止、大幅な寿命延長により、
安全でおいしい水への水質改善に効果を発揮しています。
日本の水道水は一般に、pH、アルカリ度、カルシウム硬度が低く、水の腐食性の判定指標であるランゲリア指数(*)のマイナス値が大きく、腐食性の強い水と言えます。
何らかの水質改善を行わないと、水道配管が傷み、漏水や錆による赤水発生のトラブルが生じます。また、配水管の更新等に多額の費用が費やされています。
さらに、水道利用者のマンションやビル建物の給水管が15-20年で腐食して赤水が発生し、更には閉塞や漏水を起こし、建物の財産価値を著しく低下させたり、 修理に多額の費用負担を強いられています。
水道施設を腐食から護り、赤水発生を防止する手段として配管材の変更がありますが、効果の持続性、経済性を考えると、多くの識者から指摘されているように、
水質改善(pH改善、硬度改善、ランゲリア指数改善)が第一であると言えます。
特にpH改善を行うためのアルカリ剤としては、アルカリ度やカルシウム硬度を高め、ランゲリア指数改善の効果が大きい消石灰(水酸化カルシウム)が最も適しています。
さらに、消石灰は炭酸との反応により炭酸カルシウム分の多い、薄い酸化金属混合皮膜を水道管壁に形成し、水道管壁と水との接触を断つので、管の腐食防止を確実にするだけでなく、
配水管内での塩素の消費を防ぎ、塩素注入量も低減することができます。
表流水のようなカルシウム硬度が低く、遊離炭酸の含有量が少ない水に消石灰を注入すると、ランゲリア指数が改善されないまま、
pHだけが上って水質基準の上限値である8.6を越えてしまうことがあります。
このような水質の場合には「消石灰と炭酸ガスを併用注入」することによって、
pH、アルカリ度、カルシウム硬度、ランゲリア指数を改善し、pH7.5-8.2程度、ランゲリア指数:マイナス0.2-0程度に改善する事が出来ます。
オネストライマーは浄水にmg/リットル単位の消石灰を注入して水道水をpH7.5-8.0前後に改善すると同時に、ランゲリア指数を改善するので、
水道施設の腐食防止、鉄錆による赤水の防止、モルタルライニング鋳鉄管のモルタル剥離防止、配水池のアルカリ溶出防止、鉛管の鉛溶出の低減、
塩素注入量の低減、家庭やビルの給水管の腐食防止と赤水防止が図れます。
水道に使用する消石灰は、日本水道協会規格JWWA‐K‐107で規格化されています。